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2011.04.03 Sunday

はやぶさのお話 - サンシャインシティ宇宙展2011

こういうときには夢のあるお話を。
今月も池袋で仕事の打ち合わせがあったのでついでにサンシャインシティをぶらつく。


なにかイベントをやっていることが多い、サンシャインのイベントスペースでたまたま「小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡」の講演会に遭遇。
http://www.sunshinecity.co.jp/sunshine/event/e1008.html

本当にたまたまだったので、素通りしそうになったくらいだったけど、気になったので立ち止まって聴いてみた。
的川泰宣(まとがわ やすのり)氏っていう人は、はやぶさミッションの広報ほか諸々担当の人らしく、開発と飛ばしたあとの運用時の秘話を多数知っている人で、非常に興味深い話をたくさん聞けました。

はやぶさプロジェクトマネージャーのポットのお湯の話しとか、説明すると長いけどこのプロジェクトを象徴するようなエピソードが語られました。

初めて知ったのは、このプロジェクト自体が元々はただの試験プロジェクトだったこと。
試料を採集することではなく、小惑星に行って調査、帰還することが当初のはやぶさの役目で、試料採集はそれこそただのおまけ。関係者でなにか持って帰ることを予想できた人は一人もいなかったらしいです。
それが、報道を重ねるごとに期待感が一人歩きして、最終的に何か持って帰ってこないと全部失敗、くらいに言われかねない状態になってて結構プレッシャーだったようですw

無事帰還することだけが目的だったので、計画ではカプセルを地球に向けて放出後、姿勢を変更して地球重力圏から脱出、そのまま太陽系外まで飛ばして観測をしながら通信途絶まで飛ばし続ける予定だったようですが、エンジン故障で姿勢制御できないため、大気圏でカプセルの後を追う形で燃え尽きました。最後に地球を撮影、送信する途中で燃え尽きました。

そして、一番興味深いのはなんと言っても最後まで動き続けたイオンエンジン。
報道では万が一に備えて、4つのイオンエンジンを相互補完できるようにつないでいた、というような報道をされていますが、実際はちょっと違うようです。

このイオンエンジンは一人の開発者が20年かけて開発してきたものが、はやぶさプロジェクトに間に合う形で小型軽量化できたため搭載されたものです。
この相互補完機能は当初の設計には盛り込まれておらず、搭載後の最終試験時にも実装されていない機能でした。
これを打ち上げ直前になって、不安になった開発者がほかには内緒で、製造側の一人と一緒に回路に細工したのが、この相互補完機能だったようです。

本来、打ち上げ直前に設計、機能変更は宇宙開発でなくてもありえない非常識行為で、これが原因で故障すれば責任をとらなくてはならない重大なルール違反ですが、開発者自身が壊れるかもしれないっていう不安から「やっちゃった」ようです。

イオンエンジンはプラスとマイナスのイオン噴射口が一つずつの対になっています。この二つが機能して一つのエンジンになるので、合計8個の噴射口があります。推進力として機能するのはこのうちプラス側。

もちろん故障しなければ使うことのない機能だったのですが、どうしてかちょうど良く4つのエンジンすべてが壊れ、このうち一つのプラスエンジンと一つのマイナスエンジンが生き残っていたためこの二つを(電気的に)つなげて一つのエンジンとして動かしました。

ただ、単に思い付きというだけでなく、実は研究室にある同型のエンジンではほぼ同様の相互補完機能のテストまで済ませていて、本人は一か八かではなく、機能的にはかなり自信があったようです。が、当然本人と製造元の一人以外この機能の実装を知っている人は誰もいません。

普段弱音を吐かないプロマネがイオンエンジン故障の記者会見でダメかもしれない発言をした後、秘密裏に実装していたので本当は言いたくなかったけど、見かねたこの開発者が「実は動くかもしれない…」っていう話しをしたようです。
プロマネも知らなかったこの事実が、報道されているよりずっと紙一重のエピソードで興味深かったです。

某議員の「2位じゃダメなんですか」発言はかなり現場に影響があったようで、もともと試験だったはやぶさから実証実験となるはずだったはやぶさ2プロジェクトはできないのではないか、と思われていたようですが、その後このプロジェクトの成功を見て、あっさり撤回、予算がつくことになり2014年にはやぶさ2が打ち上げられる予定です。

なにしろイオンエンジンの開発は20年かけてるし、一朝一夕に結果が出るものではないわけで、安易に予算削られたらそれこそ20年後の技術はそのまま20年遅れになりかねないですね。

結果的に、関係者が出来過ぎというくらいの大成功。月以外に探査機が降り立って帰ってくるのも世界初、試料採集も世界初、イオンエンジンをこれほど長時間動かしたのも世界初などなど、世界初が10個くらいつく世界でも類例のない宇宙探査になりました。

これ以外は、展示物はほとんどレプリカで写真のカプセルもレプリカカットモデル。これで実物大なので、意外に小さいし、試料カプセル部分も想像よりものすごく小さいです。(銀色円形部分がそうらしい)

ほかの展示物は、ロケットの模型、実物の船内、船外活動用の宇宙服などの展示で、無造作に展示されている実使用された宇宙服は評価額1億3000万円らしいですが、これ以外量、質ともに物足りないです。物販ブースも小さくてはやぶさ関連品も少ないので、講演以外はたいしたことなかったです。
この展示目的なら期待はずれになるかも。

※自分のmixi日記の転載です

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